Lab Life

ラボをつくるデザインエンジニアのブログ

先行事例とラボの目指す方向性について

ラボをつなげるもの

まだ完成していませんが、年内のオープンに向けて空間のデザインや導入する設備などを随時進めています。

上記のハードと同様に, ラボをどう位置付けて、どんなコミュニティを作っていくかというコンセプトや方向せいが今後重要になると考えています。

今回はコンセプトの紹介の前に, 参考になるこれまであるラボやその活動の一部について自分なりにまとめてみようと思います。

オープンスペースやコミュニティを取り巻く現状

コワーキングスペースやFabといった施設は少しずつですが広がっているように感じます。

コミュニティというとウェブなども含むかと思いますが、今回はリアルな場所を含めたものに限定してすすえっます。

オープンスペースは,新たな人のつながりを生み出し, ものづくりの裾を広げています。

私自身も地元のコワーキングスペース, 企業のオープンスペース, DMM Make Akibaさま等には良く出入りをしておりますが その設立目的や運営形態により, 当然集まる人やアウトプットが当然変わってきます。

専門性の高いラボのジレンマ

大学の研究室(ラボ)は教育機関かつ研究機関としてラボマネージャに予算と権限を移管し, 研究活動を行います。

特に専門領域で成果をあげるには,適したメンバーの獲得または育成はもちろんですし,分野によっては大型の設備などが必要になります。

また学会参加や論文投稿などもお金がかかるため、必要なリソース(人、モノ、金)はどうしても大型化していきます。

基本的に予算は大学や国から獲得するケースが多いので, それに応じたアウトプットを比較的短いスパンで継続的にだしていく必要があります。

この様な背景があるので、実際に貴重な予算で分野外の専門家をチームに招き入れたり, 不確実性の高いテーマを実行するのは難しいケースが多いのが現状ではないでしょうか。

参加者により成り立つ生態系

別のアプローチとしては参加者が自分の活動に対してオーナーシップを持ち, 場所の利用料をラボ側に支払うというモデルがあります。

いわゆるFab、コワーキングスペースなどはこちらに当てはまるかと思います。

これらのケースは基本的に予算が参加者から支払われるというモデル(※現時点)であるため、できるだけ多くの人が出入りできる開かれた空間になっているのが通例です。

そのためプロジェクトフォーカスで何かを腰を据えてやるというよりは、人の交流やアイディア創出を助ける触媒として機能しているように思います。

より具体的なプロジェクトになった場合は, その特性に応じて適切な場を探すというステップに移ります。

最近ではシェアオフィスも増えてきており, この様な選択はますます増えていくのではないでしょうか。

両方のタイプの施設を行き来すると, 大学のラボのようないわゆる専門性の深さや設備の充実とオープンスペースのような人材の多様性(広さ)を両立させることは中々チャレンジングかと思います。

先駆的な取り組み事例

先ほどは深さと広さの両立の難しさについて紹介しましたが, 最近ではいろいろな先駆的な取り組みが見られます。

境界領域への活動の拡大

オープンFabとして有名なFab Cafeはカフェ+モノづくりというこれまでの活動に加えて、最近はよりトピックのフォーカスした場所も併設しています。

そこで定期的にワークショップやセミナーを開催することで、より特殊性の高い領域についてもインパクトを与えています

従来では学会のような場所がありましたがBio Artのような横断領域ではこれらの活動が分野を開くきっかけになるかもしれません。

mtrl.net

プロジェクトフォーカスによる運営

リクルートさまが運営されているTECH LAB PAAK は, 魅力的な場所とビジネス面でのサポート体制を整えることで, 魅力的な人材やプロジェクトをある意味短期的な利益を度外視して集めています。

活動のアウトプットはビジネスやメディアの形で現れることでまた人がそこに集まってくるという面白いサイクルを作り出しています。

トピックもITクリエイターのためと定義してうまく密度も高めているように思います。

techlabpaak.com

各レイヤーをサポートする名カーズスペース

おそらく日本で一番有名な名カーズスペースであるDMM MAKE AKIBAはビジネスやモノづくりの各レイヤーをうまくカバーできるように構成されていて興味深いです。

akiba.dmm-make.com

いわゆる一時利用や一般向けのワークショップから, ビジネス初期フェイズの会社のオフィススペースとしても機能しています。

ベンチャーなどはもちろんですが国プロもここにスペースを借りており, 良い意味でとてもカオスな状況になっています。

現状を振り返って

空間やコミュニティをづくる上では、先行事例をもとに気付いたものをざっと書き出しても下のような視点がありそうです。

  • 何を目的とするか
  • 継続性を担保する手法(ビジネスモデル)
  • オープンかクローズか
  • どの様な活動を視野に入れるか(ビジネス/創作活動
  • どのステージにかかわるか(アイディア, 実装、アウトプット)
  • 継続期間

これらの視点は決して二者択一ではなく,場合によっては複数を選択してもいものかとは思います。

今回のラボづくりは"創造性にあふれた環境に身を置きたい"というのがそもそもの個人的な動機になっているのでここを主軸に個人ラボにしかできないことを中心に考えていくつもりです。

詳細は思考の整理がてらまた別の記事でまとめますが,次の様な方向性を考えています。

継続性を確保する手法
場所を自ら持つことでランニングコストを極力抑えていることと管理人が別の場所で働いているため, ここで利益を追求しなくてもよいというのが特徴になると考えています。うまく利益をだせれば設備などをより充実させて面白いプロジェクトをできる可能性もあるのでうまいモデルを考えたいと思います。

オープンかクローズか
最初から完全にオープン化するのはセキュリティやコミュニケーションによるコストが大きく難しいと考えています。幸いにも身の回りの様々な領域で活動されていて、コラボレーションスキルが高い仲間がいるので最初は身近なところからβテスト的に運営したいと考えています。

どの様な活動を視野に入れるか(ビジネス/創作活動)
 特に限定するつもりは現時点ではありません。ただし、利用者にとってのメリットを提案できなければ誰も来ないということになるかと思います。快適な空間と待たずに使える必要十分なFab、出入りする人とのPeer to PeerのLearningといった部分で上手く回したいと考えています。

今後目指す形は?

今後変わる可能性はありますが、現在はアウトプットのポートフォリオを充実させることを最初のステップとして考えています。言い換えると

"参加するメンバーのアウトプットをポートフォリオや記事として公開する代わりに、スペースとコミュニティを提供する"

というモデルです。もちろん作品やアウトプットの権利は製作者が持ちますが、同意が得られた内容については製作者の名前と一緒にWEBなどの形で成果を公開するという意味です。

もしそれなりのアウトプットが揃ってくると, ラボとしてこれらのプロジェクトのプロセスという面白い体験を知ることができると同時に, 発信力も強化されます。

また作り手の方にとっては, 作品やプロジェクトをより広く伝えることができます。また、 過去の事例を参考にそのプロセスや人脈から自身の作品に影響を与えるかもしれません。

ラボの名前やコンセプトはある程度考えているのでまた別の記事で紹介していきたいと思います。

お読みくださりありがとうございました。

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